駿河昌樹
古びた辞書を片手に 身体中の全細胞を闘争へと駆る 初夏の少女 恒常的な充血をしらない やわらかい角膜をひととき硬くして じんるいよ、ときどき おまえをむしょうに祝福してやりたくなる なにをやってもけなげな 初夏の少女的じんるい 太陽に含ませるにはまだまだ足りない乳房 全宇宙的男根を受け入れるにもまだまだのお陰 やがてからだを開くとき 古びた辞書は開かず 細胞はその場の風にひたすらそよぐにまかせよ 初夏の少女的じんるい やわらかい角膜はやわらかいまま たよりないような強さをはぐくんで