駿河昌樹
この酒のいま澄んでいる様を われらへの風や夜の深さや 遥か草原を走る馬の群れからの あきらかな祝福と見ようか まぼろしを生きぬくちからを たえぬ流れに汲んだ祖先に倣い 熱くもない酒の面をみつめる みつめればかならず小さな生よ あふれるわれらを包みきれない なんと小さな杯ほどの生よ