骸骨順列

ホラホラ、これが僕の骨だ、――中原中也


清水鱗造



小さいくちびるは乾いて 貨物列車には骨が 青い花が斜面に塗られ 関節は煙でできている 街は沈む 人は沈む 骨に描かれた鉛筆の落書き 骨に描かれたぬいぐるみ 新しい骨と古い骨が 斜面に垂直に立ち 骨は無造作に箱に投げ込まれ 貨物列車で去っていく 交合図―― 念入りに念入りに でも コーヒー 知らない ある縁のぬめり 指さすための―― テグスに絡まった疑似餌 顎骨を象る尖先 彗星―― 彼がいうように 少しは反映されている 杭は黄色いペンキで塗られ 骨は青い細い線でいたずら描きされている 確定できるっていうのは いい境涯じゃないか わからずにまとまって コミットして糞になり ころころ転がって 彼は偉かった なんて 肥溜めだね そこを適当に 墓標にしている 似たようなものだけど 骨が白く また整然と 貨物列車でいくのを 印としよう

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
[No.23目次] [前頁(鼻唄)] [次頁(ウィリアム・ブレイク『無垢と経験のうた』 1)]
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