布村浩一



寒い日だが ふとんをほした 12℃ぐらいだと思う 照って 消えて 消えて なくなった それから部屋に一人ぼっちになった くらい静かな日曜日 窓ガラスの暗さおとなしさが 心で 窓ガラスとずっとおなじ距離でここにいる 電気ストーブ 消してみると部屋から 音がなくなった 点けてみると グツグツという音が始まる こういうふうに なにもないということに 心の底からなれているわけではなく 窓から目が離せない 音がやってくるのを待っている 日ざしが変わるのにおどろいた 日ざしといっしょに心が変わる 窓ガラスを通してはいってくる 手 ぼくの呼吸が赤くなる

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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