光の柱

片根伊六



光の柱は そのためにあるのかもしれなかった ハドリアヌスがしたように 僕も 柱の中に 立ってみた そして ハドリアヌスがしたように 裸になった 黄ばんだヘインズと 破れた501は きれいにたたんで 祭壇にのせた すり切れたアジダスは 柱の外に 揃えた 目を閉じると 白い暗闇に包まれた 方向感覚がなくなり 球体が 僕を中心にして まわり始めた

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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