ところで例の黒山沿い
空へと途切れてゆく大通りを
臆面のにやにやする映像に並び
乳の切れた胸襟を閉じて
複数形の母がたゆたっていく
どのコーナーでも旗が卷かれている
この手の肉体離れ
寒さが冬の麦に応えるように
人間の目に応える人間の目
犬儒を食う犬がいるかどうか
すだく氷も祭りの夜の思い出にすぎない
建築のシルエットにおいて
アパシー熱も冷まされている
よくテレビの寿命が云々される
食人鬼が食中(あた)り
この面も銜え込んでやれ
空生まれ板育ち
霜に取り持たれた二人
お座なりに隣った星座なのだから
言葉尻の割れ目に座る女を置いたら
サンダルつっかけて
きらきらする戸外へ襤褸けていけ
すぐそこのグロサリーまで
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