ベルベット・スカイ

夏際敏生



東の空が鼻白んでいる 語を儚みながら 世を夢みながら ストレリチアも枯れた床で 物質を私するなりなんなりして また一輪の籤を引く 霙が霙でない快不快はあやふやで 恋人も誰ともどちらともつきそうにない その上、この国で踊りといえば(々)くらい この下もない下の下の舞い上がりぶりだし 兄弟は浮かない目線を殖やしながら 明日の左右までも低くする寸法らしい ザ・ベルベット・アンダーグラウンドのように だから水を得ることのない魚のようにしか すでに空気が存在しない 美は存在しない 根っから根無し草の一行(総勢三)を紹介しよう 写真は左から気分、セメント、女レスラー (その時は逆だったはずだが ご笑覧の向きはどうぞご不随意に

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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