passers by

夏際敏生



地面が空々しい 息を暗くして歩く テンからハナシにはならない (日替りでフール・ショーをやってる劇場がある (ケーキ入刀、etc.…… 鈍りがちの足を研いで とっつきの通路から トゥラバドールとして甲走って! (窓ごとに  揺れまくる視力 通りはむろんよくないが (ただもうらあらあ)ともいかないしするから 仮病死しそうなくらいの弱年にも因もう 持ち前の女らしさで湿気も呼ぼう そこでの関心は支払われる (霧吹きで概念を散布する トキワアケビ、トキワイカリソウ、トキワギョリュウ 夜のように更けていくわたしたち 電気自動車は心臓のないダミー人形 模造紙に描かれた人造湖 《演出メモ》 鞭を持った女は鞭打たず 鞭を持って立っているだけでいい 歯軋りもしないで ひっそりと人払いが行く そんなこんなで終わっていっている

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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