届いたたよりのはずれを流れた

駿河昌樹



届いたたよりのはずれを流れた 届かない妻 滞ってながれはよみがえり おわりを意味する春も 風はいつもほしいでしょうから 崖に近寄るひとですか 籠もって 色をあつめ 雲より授けられる子 どの子も つめたい肉ひとつひとつ 備えをしいられて 汗ばんで たましいが喉につまる 夏の近づくわたしふたりに そう、ふたりに 泉はまた近づいてくる 物をみつめる物 過ぎていくのは物の時間ばかり 汗ばんで みどり深い懸隔を掘る すぐ太陽をあおぐ癖を残して 汗ばんで

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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