親父の禿頭が べとべとになって笑い なまぬるい風は 幼児のにおいを運んできた 乳母車に荷物をのせて運ぶ人妻たち ベッドには ぬけ落ちた毛がひっかかっている 油でいためたソーセージがのっていた皿は よごれたまま 新聞紙は すぐ包み紙になる 暗い机には さめた紅茶 吸殻の山 窓の外では ジャンパーを脱いだ子供が 車のうしろにしゃがんで うっとりと排気ガスを吸っている もうすぐ この街にも夜が来て またにわとりが ときの声をあげる


(C) Copyright, 1995 NAGAO, Takahiro
|ホームページ||詩|
|前頁(毛のはえた太陽)||次頁(雨)|
エキスパンドブック版
PDFPDF版
mail: nyagao@longtail.co.jp