ちょっとした違い



ベッドから天井を見上げていたら、 天井が左右に動き出した。 えっ? と思って見直すと、 当たり前にじっとしていた。 見るときの気持ちの具合の ちょっとした違いらしい。 そういえば二日前、 別の部屋にいたときも、 同じようなことがあった。 そのときは壁で、 幾何学模様の壁紙が 貼ってあった。 ベッドから見ると、 その壁は波打っているようだった。 えっ? と思って見直すと、 当たり前にじっとしていた。 その壁は波打ちやすく、 骨をつかんだら、 波打たせたり、 止めたりを 自在に操れるようになった。 この天井はちょっと違うらしい。 もうどうしても動かない。 止まらなくなるよりは、 いいかもしれないけど。

2013年6月



(C) Copyright, 2000-2017 NAGAO, Takahiro
|ホームページ||詩|
|前頁(大変な日に)||次頁(世代)|