10 干支の石



写真5-1

写真5-1 ゐの石から日吉元石川線を見る
 以前、山田神社の堀之内参道を歩いたときに、南山田のニュータウンと非ニュータウンの境界で「ゐ」と書かれた石を見付けたことがあった(写真5-1)。それ以前に、山田富士に向かう遊歩道(写真3-1)で「さる」、「ひつじ」などを見たこともあったので、遊歩道沿いに干支の名前が書かれた石が散在しているのだろうと思ったが、そのときは山田神社に向かった。帰ってからしばらくして、ほかの石も全部探り当てたくなってきた。気になり出すと、どうにも気になって仕方がない。「ね」の石がどこにあるかはわからないので、最初から探すことはできないが、最後の「ゐ」の場所はわかっているので、逆に辿ってみることにした。そのため、今日の出発点は、のちめ不動交差点(写真4-3)のすぐそばの「ゐ」の石である。まずは、ここから日吉元石川線の方を向いて写真を一枚撮った(写真10-1)。
写真10-3

写真10-3 いぬの歩道橋
 うちからは近所だが、遊歩道のこの部分を通るのは初めてである。歩き始めてすぐ、道は大きく右に曲がって、日吉元石川線の真横に並びそのまま並行して進む形になった(写真10-2)。城山バス停に下りる階段を通り過ぎると、よく通る城山歩道橋(写真1-2写真9-3)である。「さる」か「ひつじ」を見た位置を考えると、そろそろ「いぬ」があってもよさそうだと思ってあたりを見回すと、「いぬ」は城山歩道橋の横にあった(写真10-3)。今まで何度この歩道橋を渡ったか数え切れないほどだが、この犬のアクセサリーに気付いたのは初めてだった。見ていて見ていないということはあるものだ。
写真10-5

写真10-5 とりの石
写真10-6

写真10-6 さるの石
 歩道橋を渡ると、遊歩道は旧道に向かって下り坂になる(写真10-4)。そして、旧道の横に落ち着くとすぐ、裏のバス通りの下を潜り抜ける(写真5-18)。次の「とり」はこの橋の下にあった(写真10-5)。山田富士までの間に「さる」と「ひつじ」を見たのは、やはり錯覚ではなく、正しい記憶だったようだ。「さる」は写真3-1に写っていた青い建物の下にあった(写真10-6)。その後、横を通ったときに覗いてみたのだが、この青い建物は酒屋チェーンの倉庫らしい。清涼飲料各社の箱が並んでいた。「ひつじ」は、日吉元石川線から国際水泳競技場(写真7-3)に向かう歩道橋の下にあった(写真10-7)。日吉元石川線に地下鉄の駅ができたときには、駅からここを通って水泳競技場に行けるようになるのだと思われる。
写真10-7

写真10-7 ひつじの石
写真10-8

写真10-8 うまの石
 山田富士(写真3-2)を右手に見ながら日吉元石川線を潜り抜けるトンネル(写真3-9)に入ろうとしたときに、「うま」があった(写真10-8)。これで半分である。山田富士を遠く感じていたときの感覚からするとまだ半分なのかというところだが、歩き慣れた今ならもう半分という感じである。「み」は山田富士公園ハイツ(写真10-9)の麓にあった(写真10-10)。山田富士公園ハイツというのは、写真3-10写真9-18などにも写っていた公団のマンションである。この道との間には保存緑地と称する崖があって、簡単に往来できないようになっている。
写真10-10

写真10-10 みの石
写真10-11

写真10-11 たつの石
 次の「たつ」は、初めてここを通ったときにどちらに行くべきか迷った三叉路(写真9-19)のところにあった(写真10-11)。初めて通ったときには、「うま」から「たつ」までのすべての石に気付かなかった。それどころか、前回ここを通ったときも、「たつ」の石には気付かなかった。しかし、今度は左に行っても、あと4つの石を置くには距離が短すぎることを知っている。ここは迷わず右に行く。前回通った神無公園(写真9-18)の横を通り、南山田小学校(写真9-16)を前回とは反対側から撮った(写真10-12)。前回は、南山田小学校のまわりをぐるっと回ってこの道に出てきたので、南山田小学校の先は初めての道である。その初めての道に入ってすぐのところに、「う」があった(写真10-13)。進行方向を見ると左側がマンション、右側が竹薮になっているが(写真10-14)、竹薮の上にはマンションが建っている。この辺では一番の人口密集地だ。
写真10-13

写真10-13 うの石
写真10-15

写真10-15 とらの石
 「とら」はこの竹薮のなかにあった(写真10-15)。あと2つである。「とら」の横を過ぎると、右手の竹薮がなくなり、視界がぱっと開けた(写真10-16)。左手は先ほどとは別のマンションがまだ続いているが、右手は池になっている(写真10-17)。そして、山田富士の横と同様に、遊歩道を跨ぎ越す車道があった。この道は車で何度も通っている道なので知っている。不動谷(写真9-15)からセンター北に向かう道である。このあたり、突然マンションが次々に建って、ニュータウンらしい風景になってきたなと思っていたが、車を運転しているとあまり左右をきょろきょろ見るわけにはいかないので、池があることには気付かなかった。トンネルの横の階段を上ってこの道も撮っておく(写真10-18)。
写真10-19

写真10-19 うしの石
写真10-21

写真10-21 ねの石
 「うし」はトンネルを越えてすぐのところにあった(写真10-19)。だいぶ遠くに来てしまったなと思ったが、前回はもっと遠いところまで行っている。それにあと1つだ。その最後の1つである「ね」は、南山田なつみかん公園(写真10-20)の手前にあった(写真10-21)。「ゐ」と同様に、遊歩道は公園の手前でぴたりと終わっており、なつみかん公園の向こう側はニュータウン外を示す南山田町という旧地番表示の場所だった。どうも見覚えのある風景だと思ったら、前回、中川小学校から当てずっぽうに歩いてきたときにこの公園の横を通っていたのである。「ね」の石がここにあったとは思いもしなかった。干支の石が置いてあるところの大半は、すでに1度以上通っているのに、気付いていたのは3つだけだった。そのつもりで探さないと見付からないものはあるようだ。結局、干支の石は、南山田から北山田、東山田を通って、最後にまた南山田に戻ってくるルートに並んでいた。遊歩道の設計、工事に携わった人たちを除けば、この秘密を知っている人はそういないだろう。まして、全部見た人はこの土地の住人と言えども、そうたくさんはいないはずだ。そう思うとちょっと満足。帰ったら、家族に教えよう。ここから不動谷までは前回と同じ道。今日は大善寺の入口の石仏の写真も撮った(写真10-22)。しかし、不動谷からは寄り道せずにまっすぐ帰った。今回は、石が11個と橋が1つある関係で、ほかの写真のサムネイルはありません。

参考地図[池近辺]

99/2/12


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