18 中川



 前回のすみれが丘行きで、ほんの少しだけ中山北山田線(ケヤキ通り)をまたいで向こう側まで行った。牛久保の丘(写真12-9)に出かけたときにこの道を越えるのを躊躇していたことを考えれば、ちょっとした進歩である。考えてみれば、ニュータウン第1地区で行っていないのは、大雑把に言ってこの道の先だけになった。第2地区を往復するのはちょっと厳しいが、第1地区くらいは全部行ってみたいものだ。中山北山田線の先には横浜市営地下鉄の中川駅がある。
写真18-1

写真18-1 中山北山田線を越えたくさぶえの道
 前回同様、出かける前に地図は見ておいた。ふとしたきっかけで、住宅都市整備公団の港北ニュータウンのホームページがあることを知ったので、それも見て行った。ここには、公園と緑道の地図がある。この地図を見ると、くさぶえの道(写真12-4)は、地下鉄でセンター北(写真14-4)の次にあたる中川まで続いているらしい。また、その途中に牛久保西公園、山崎公園の2つの公園があることもわかった。
写真18-2

写真18-2 牛久保西公園
 まずは、考えられる限りで一番近い道を通って牛久保(写真12-8)まで出る。そして、中山北山田線の下を潜り抜けた(写真18-1)。武蔵工大の校舎がすぐに間近に迫ってくる。そして、左側に分かれ道が作られていた。上がってみると、予習した通りに牛久保西公園があった(写真18-2)。この公園は、神無公園(写真9-18)と同様の野球場になっていた。グラウンドの反対側は、中山北山田線に面している。分かれ道は、予想に反し、公園の前を通り過ぎてさらに南の方に伸びていた。ちょっと行ってみたい気がしたが、ここで寄り道したら中川までたどり着けないかもしれないと思い、元の道に戻る。
写真18-3

写真18-3 中川への出口
写真18-4

写真18-4 中川駅
 しかし、それほど心配することでもなくて、正面に見えていた武蔵工大が右に回り、後ろに消えたときには、もう山崎公園の入口が見えていた。この公園にももちろん行ってみるつもりだが、まずは駅を覗いておこう。山崎公園の入口は左側だが、正面にもう1つ車道の下を潜り抜けるトンネルがある(写真18-3)。ここを通り過ぎると、階段を上って車道に合流した。この車道は、不動谷(写真9-15)や池(写真10-18。住都公団のHPによれば、ここにも徳生公園という名前があるらしい)、請地交差点(写真14-2)を通っていた道の延長線である。もちろん、ここは車ではよく通る。しかし、通るだけで意外と風景は見えていないことがわかった。回りの風景が意外と新鮮に見えるのである。たとえば、駅の入口(写真18-4)がどのようになっているかも知らなかったし、駅の横に郵便局があるのも知らなかった。
写真18-5

写真18-5 山崎公園の端
 ここに来るだけですでに1時間近くたっていた。せわしないが、そろそろ戻らなければならない。車道を請地の方に歩いていくと、港北ガーデンヒルズというマンションの前を通って山崎公園の端まで来た(写真18-5)。端ではあるが、入口ではない。しまった、さっきの階段を戻って遊歩道から入るんだったな、と思ったが、今さらそちらに戻るのも面倒だったので、公園と港北ガーデンヒルズの間の道を歩いて行くと、100mほどで入口があった。山崎公園は、住都公団のHPによれば、プールのある公園として有名なのだそうだが、2月中旬に屋外のプールで泳げるはずもない。シーズンオフを利用して補修工事をしていた。
写真18-6

写真18-6 山崎公園の南側
写真18-7

写真18-7 中川から横浜生田線を望む
 港北金の星幼稚園の横を通り抜けると、道は右に曲がっていた。金の星幼稚園の隣には、中川西小学校があり、反対側には写真18-6のような風景が広がっていた。ニュータウン区域から外れたところが少し見え、そちらの方に下りていく遊歩道が見える。さらに先まで歩くと、公園は終って遊歩道だけが残り、周囲がよく見えるようになった。勝田橋(写真9-8)から西に向かって走る綱島発江田駅行きのバスが通る横浜生田線も見える(写真18-7)。こちらに是非行きたい。
写真18-8

写真18-8 田んぼのなかの道
写真18-9

写真18-9 横浜生田線から見た中川の田んぼ
 公園が終わったところまで戻ると、写真18-6の下の方に写っていた道への分岐点があった。そこから坂を下りていくと、公園の出口があり、そこからまっすぐ横浜生田線に道が伸びている(写真18-8)。田舎らしくていいじゃないか。早渕川の橋を渡ると、横浜生田線までの間はずっと田んぼだった。横浜生田線を勝田の方に歩きながら、この田んぼを飽かず眺めていた(写真18-9)。バスで通って気に入っていた風景はたぶんこのあたりである。来てよかった。
写真18-10

写真18-10 横浜生田線から脇道に入ると花が咲いていた
 しばらく歩くと、道は再び早渕川を渡った。橋を渡ってからは田園風景は終ってしまった。ちょうど信号のある交差点があったので、そこで左に曲がった。梅が植えてあって、花が咲いていた(写真18-10。と思ったのだが、今改めて写真を見ると、本当にこれは梅の木なのか自信がなくなってきた。これから数週間後、車で鷺沼近辺を走っていたときに、あ、梅だと言ったら、それは桃であると妻に訂正されたことがあるのだ)。もう咲いている花があるのだな、ととても新鮮に感じた。
写真18-11

写真18-11 中川町内会館
 もうこのあたりになると、行きの遊歩道とは異なり、予習範囲外である。何がどこにつながっているのかわからない。何やらにぎやかにカラオケの練習をする声が聞えると思ったら、中川の町内会館だった(写真18-11)。同じ敷地内に火の見櫓もある。子供の頃、こういう風景はあちこちで見たものだ。懐かしい感じがする。
写真18-12

写真18-12 西から見た牛久保交差点
 しかし、そのすぐ先には、遊歩道の入口があった。ニュータウンの遊歩道はたいていかなり長く続いている。車道を通るよりも確実だ。遊歩道に入ると、100%ニュータウンの風景である。歩いて行くと、ききょう公園という児童公園があり、その反対側の道からは、早渕川の向こう側のセンター南にある港北東急百貨店の建物が見えた。さらに歩いて行くと、都筑小学校という真新しい小学校があり、その先は車道を跨ぎ越す歩道橋になっていた(写真18-12)。跨いでいる道は、不動谷から中川に向かうあの道である。そして、歩道橋を渡ると、牛久保西公園(写真18-2)だった。行きに通ってみたいなと思いながら、諦めた道を通っていたのである。もし行きにここを通っていたら、やはり中川にはたどり着かなかったかもしれない。あとはもう知った道をまっすぐ帰ったが、ここからはまだ2kmほどもあるので、最後はさすがに疲れた。

参考地図

99/3/22


[フロントページ] [詩] [詩的日乗]

[目次] [写真索引] [サーチ]

[この回の写真一覧] [前頁(17 すみれが丘)] [次頁(19 高田)]

mailto: webmaster@longtail.co.jp