7 国際水泳競技場



 山田富士の近くで屋根付きプールの建設が始まったのがいつだったかは覚えていない。去年の神奈川国体に合わせて作るのだろうと思っていたら、確かに国体直前に完成して7月にオープンしたが、国体で実際に使ったのは飛込み競技だけで、競泳には使わなかったそうだ。オリンピックが来ていたら会場になったのかもしれないが、これは去年国内選考で大阪に負けた。まぁ、負けて結構、これ以上税金であれやこれや作った上に、IOC委員に賄賂でも送られては迷惑だ。しかし、できてしまったものには興味がある。
 山田富士の近くではあるが、散歩を始める前は山田富士からそれほど近いものだとは思っていなかった。車で移動するときには、水泳競技場は鷺沼への抜け道沿いにあるものという認識で、この抜け道は日吉元石川線やその旧道とは随分離れているような気がしていた。もちろん、車で走ればすぐだが、車で走っていると、大した距離ではなくても、歩いたら大変だろうなと思ってしまう。そこで、山田富士に向かう遊歩道ではなく、車で通る鷺沼への抜け道を歩いていくことにした。
写真7-1  その抜け道というのは、実は私の家の前の道を道なりにたどっていくというものである。家を出るとすぐ、写真5-19の交差点に出る。この写真で右に伸びているその道は、バス通りを突っ切って左にも伸びている。その左側の方に行くのである。道はすぐに左に90度曲がる。この曲がり角のところに庚申塚(写真7-1)がある。高圧線の鉄塔の足元である。車で通るときにもそういうものがあることは目に入るが、じっくり見たことはない。歩きのよいところは、目に入ったものをじっくり見られることである。
写真7-2  しばらく歩くと、写真5-11や写真5-17の右奥にも写っている工事中のマンションの裏を通る。マンションの裏側は完全に空地になっていて、柵で囲まれている(写真7-2)。マンション建設地も、ついこの間まではこのような空地だっただけに、近い将来このような風景はなくなるかもしれない。
 さらに歩いて行くと左側が長泉寺の墓地になり、右側には高見沢電機という会社の工場がある。この工場はかなり古いようだが、何を作っているのかはよくわからない。鷺沼駅からタクシーで帰るときには、「高見沢電機を回って東山田へ」 と言うと、9割の運転手が正しい道を通ってくれる。県道を通るよりも、こちらの方が若干安くなる。
写真7-3  高見沢電機の端まで行くと、道はすぐに右に90度に曲がる。曲がってからすぐに左折する。左側には、先ほどのような柵で囲まれた空地が広がっている。この道に入ると、国際水泳競技場は先の方に見えている。見えていても遠いところは遠いものだが、この場合はそれほど遠くはなくて、すぐに室内プールの裏口のようなところに着いた(写真7-3)。
写真7-4 写真7-5  裏口とは言っても入口には違いないので、ここからも入れないわけはないのだが、車で通ったときに“本当の”入口があるのを見て知っている。なかに入らずに道をそのまま歩くと、裏のバス通りと同じくらいの道に行く手をさえぎられる。実はここもバス通りになっていて、センター北行きのバスが走っている。裏のバス通りを走る各路線よりも新しい路線だが、バス停で時刻表を見ると、1時間に3本“も”走っている。左に曲がってこのバス通りに入ると、水泳競技場の正面が見える。メインアリーナ(写真7-4)とサブアリーナ(写真7-5)の2つのプールがある。しかし、冬場はメインアリーナの方はテニスコートに化けてしまうらしい。テニス日本リーグのポスターが貼ってあった。
写真7-6 写真7-7  立派な建物ではあるが、ちょっと外れたところには「ランチタイムサービス」、「ラーメン」といった幟が翻っている。これは、サブアリーナの建物のなかにレストランが入っているからだが、さすがに田舎臭い写真7-6)。しかし、この幟を通り過ぎて少し歩くと、左手の視野がぱっと開けてなかなかの景色になる(写真7-7)。鷺沼に行くときには水泳競技場の前の交差点をさらに右に曲がっていくので、この道は車でもあまり通らないのだが、水泳競技場ができる前はこのような風景ではなかったように思う。水泳競技場の建設とともにその周囲も公園として作り直したらしい。バス通りの下を潜り抜ける道を挟んで山田富士を中心とするもう1つの公園が並んでいる。
写真7-8  写真7-7の右側に写っているのは、山田富士の裏山(写真7-8)である。この山には、以前山田富士に花見に来たときに登ったことがあるが、それ以来登っていないので、登ってみることにした。下の方の木には葉っぱがついていないが、上の方の木は常緑樹なのだろう、青々としていた。夏に来ればカブトムシぐらいとれるのかもしれない。
写真7-9 写真7-10  ほどなく頂上に着き、少し下ると、山田富士の案内板(写真3-4)の前に出る。ここから頂上はすぐだが、この間来たときに恐かったので登らない。代わりに写真3-5の登山道を下りて、山田富士の麓の汚い場所の写真を撮る(写真7-9)。そして、せっかく水泳競技場前のバス通りを歩いてきたので、この通りと元住吉日吉線が交差する北山田交差点の写真を撮った(写真7-10)。ここは、山田富士からはほんの100mほどで、山田富士バス停からも近く、逆に山田富士よりも2つたまプラーザ寄りに北山田というバス停があるので、うちでは山田富士の交差点と呼んでいる。しかし、水泳競技場の方からセンター北に行く路線では、この近所に北山田交差点というバス停を作ったようだ。山田富士でいいのに。それからもう1度山田富士の麓に戻り、遊歩道を通って写真3-11のような風景を撮りながら帰った。

参考地図

99/2/4


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