ハイパーテキストへ(連載第3回)
----詩人のためのInternet入門Part.2 及びその後のWindowsヘルプ

長尾高弘



 前号は、「詩人のためのInternet入門 Part 1」というものを書かせていただいたが、あまり「詩人のための」ということにはならず、ただのInternet入門になってしまった。今回はPart 2として、ホームページの作り方を書くべきところなのだが、これもあまり「詩人のための」話にはなりそうにない。年賀状の下の方にホームページのURLを書いておいたせいか、最近あちこちからアクセスがあるが(まぁ、1日7、8件といったところだが、以前は自分がアクセスしなければ、毎日0件だった)、それらあちこちから地味だねとか、凝ってないねと言われてがっかりしてしまった。地味というか、グラフィックデータが少ないのは、ディスク容量がキツキツなのと、私自身がグラフィクスの多いページを好まない(表示が遅くてイライラする)からなのだが、しかし、あまりホームページらしくないホームページを持っている人間が、他人様にホームページの作り方をお教えしましょうというのもおこがましいので、Part 2は簡単に済ませてしまおうと思う。
 ホームページを作りたいときには、まず色々なホームページを見て、やり方を研究することである。ホームページの記述言語であるHTML自体は簡単である。裸のテキストを<何とか>...</何とか>というタグで囲んで飾りやリンクを定義すればよい。翔泳社から出ている「インターネットホームページデザイン」という1時間で読める本を読めば誰でも何かしら格好のつくものは作れる*1。そして、Netscapeなどのブラウザで面白そうな機能を持つホームページのソースコードをセーブすれば、その機能を盗むことができる。書き方が理解できたら(もちろん、書きながら理解するという方法もある)、ローカルディスクにこれから作るホームページと同じディレクトリ構造を作って、そこにファイルを書いていく*2。専用のHTMLエディタというものもあるが、私は普通のテキストエディタでちょこちょこと書いてはセーブして、Netscapeの“Open File”コマンドで実際に表示して不具合を訂正している。これで完全というものができたら、ftpを使ってローカルディスクのディレクトリ構造をそっくりホームページ用の領域にコピーする。大事なことは、頻繁に手を入れることである。一度見たら、はいそれまでというホームページではつまらない。気にいってくれた人に繰り返し見に来てもらえるようなものにしたい。更新履歴のページを作っておくと、作成者の側の管理にも役立つし、2度目以降のお客さんにも、どこを見たらよいかがすぐにわかって便利である。恥ずかしがらずに、サーチエンジンなどに登録して、宣伝するのも大事だ。最後に、その後見つけた(あるいは教えていただいた)詩関連ホームページのURLをリストアップしておこう(文末参照)。「詩人のためのInternet入門」は不発だったが、「詩人のホームページ」は増えている。
 ところで、最近、私のホームページでは、Windowsヘルプ版のBooby Trapを公開した。18号でWindowsヘルプ版の詩集についての記事を書いたときから今までの間にWindowsヘルプにも大きな変化があった。言うまでもなく、Windows 95のリリースである。Windowsヘルプも、Windows 95がリリースされてバージョンアップされた。新しいバージョンのヘルプエンジンは、古いバージョンのヘルプファイルも表示できるが(しかし、若干の非互換性はある)、古いバージョンのエンジンは新バージョンのヘルプファイルを表示することはできない。両者の差は色々あるが、ヘルプを見る側から考えて大きいのは、CNTファイル(トピックファイル)というものが追加されたこととフルテキストサーチ機能が追加されたことだろう。
 CNTファイルはなければないで構わないファイルだが、あればヘルプ本体のウィンドウとは別のウィンドウでヘルプファイルの目次を表示することができる*3。そして、複数のヘルプファイルのキーワード*4を統合するための鍵を握っている。従来のバージョンでは、「検索」ボタンでキーワードリストのウィンドウを表示しても、そのときに使っているヘルプファイルのなかのキーワードしか表示されなかったが、新バージョンでは、CNTファイルでヘルプファイルのリストを書いておけば、それらのファイルのキーワードをまとめて表示してくれる*5。たとえば、Booby Trapを号ごとにヘルプファイル化し、著者、作者名をキーワードとして登録しておいた場合、従来バージョンなら、特定の著作者名を選択しても、リストアップされる項目はそれぞれの号の作品だけだったが、新バージョンなら、1号から最新号までに含まれるのその著作者の作品がずらりとリストアップされる。これは連載記事を読むときには重宝しそうな機能だ*6
 フルテキストサーチ機能*8は、ある特定の語を含むトピックをリストアップしてくれる機能である。従来のキーワード検索の場合、ヘルプファイルの作成者が決めたキーワードしか使えないが、フルテキストサーチなら、エンドユーザーが検索対象の単語を自由に決められる。たとえば、19冊のBooby Trapで「時間」とか「音楽」といった単語がどこで使われ、どのように使われているかを比較することができるわけである。
 ヘルプの改良ではなく、Windows自体の改良ということだが、明朝のフォントが比較的小さいポイント数でも明朝らしく表示されるようになったのも、ヘルプ版詩集、詩誌の作成では大きな意味を持っている。ちょっとフォントの表示がよくなっただけで、不思議と内容を読んだ印象も変わるものである。その他、18号の原稿を書いたころには気づかなかったテクニックもいくつか見つけたが、これらはいちいち説明しているときりがないので話を先に進めよう*9
 今まで、ハイパーテキストという言葉をあまり明確に定義せずに使ってきた。ちょっと古い本だが、「考える道具としてのMacintosh/HyperCard」(梅村恭司著、1989年共立出版)という本は、「文章の関連ある項目の結合関係を保持し、多角的な方法で見れるような電子情報をHyperTextという。HyperTextは人間の頭のなかにある形態に近い形で文書を保持しようとしたシステムである*13」とうまくまとめた上で、参考文献も紹介してくれている。そして、「裸のHyperCard、または少しスクリプトを追加したくらいのHyperCardをHyperTextと考えてはいけない」とも述べている。この部分を読むと、いつもハイパーテキストという言葉をあまり気楽に使ってはいけないような気分になる。
 しかし、だからといってコンピュータ学者ではない私などがこの本で紹介されている学術論文集を読んでHyperTextの正しい定義を理解したところで得られるものはあまりない。それよりも、自分がどのようなものを求めているのかを突き詰めていくべきだろう。
 Booby Trapの全部の号をWindowsヘルプファイルにまとめる仕事には、自分の詩集をヘルプにまとめたときには感じなかった面白さがあった。たとえば、吉田裕氏の現在の連載、「バタイユ・マテリアリスト」や18号以来の拙稿には、いくつかの註が含まれている。紙の本を読んでいると、この註というもののおかげでページをあっちにひっくり返しこっちにひっくり返しし、元々読んでいたところがどこだかわからなくなり、イライラするということがよくある。しかし、ヘルプ形式なら、註が必要なところをマウスでクリックすれば、別のウィンドウがポップアップしてすぐに註の内容を読むことができる。註は元々読んでいたところからそれほど離れていないところに表示されるので、元の文章にもスムースに戻れる。このようなWindowsヘルプの利点は、「長い夢」をヘルプ化しているときには思い付かなかったことである*14
 同じように、「長い夢」の作業では、キーワード検索*4のキーワードの選び方の重要性にも気づかなかった。「長い夢」では、「目次」とか各ページのタイトル以外にキーワードにすべき言葉は思い付かなかったが、「Booby Trap」の場合には、作品名以外にも、著者名とか、連載名とか、BT通信といった特定のコーナーの名前とか、さまざまなキーワード候補が考えられる。これをうまく構成すれば、たとえば連載記事を続けて読むときなどは、紙の雑誌よりもスムースに号の境界を渡っていける。
 このように、紙の形のBooby Trapをヘルプ形式に変換しただけでも、いくつかの可能性が考えられる。しかし、これだけで満足してしまってよいのだろうか? つまり、縦のものを横にするようなことだけで、「文章の関連ある項目の結合関係を保持し、多角的な方法で見れるような電子情報」という形式をフルに活用したことになるのだろうか? 新しい形式は、文章の構成方法自体を変える可能性も秘めているのではないだろうか?
 文章を書くときにいつも苦労するのは、さまざまなアイディアをどうやって文章の構成要素としてはめこむかである。アイディア自体はダンジョンのなかのアイテムのようにあちこちに散乱している。しかし、文章は冒頭から末尾まで1本の糸のようにつながっていなければならない。そこで、文章を書くという作業は、ダンジョンのなかのアイテムをすべて結ぶ一筆書きのルートを見つけるような迂遠な作業になってしまう*16。アイディア自体を磨くことよりも、アイディアを結ぶことに精力をそがれてしまうのである。
 よく考えてみると、文章のなかには、他の部分からは相対的に独立している部分が含まれているものである。これらを無理に一筆書きのなかに押し込もうとするから、苦労する。押し込めなくて、諦めることにもなる。そのような部分を本文からは切り離し、たとえば本文の適当な場所をクリックするとポップアップ表示されるようにしてはどうだろうか。
 実は、今回の原稿はそのような考え方で書いている。註が妙に多いのはそのためである。この部分は本文とは直接関係ないが、それでも書いておきたいと思うことは、どんどん切り離して註にしていった。これらはあとでポップアップできるようにすればよい。ここまで書いてきた感想では、ずいぶん楽になったような気がする。そして、読むという点では、紙に印刷されたものよりもヘルプ版の方がはるかに楽になっているはずだ。紙の方では、視線があっちに飛び、こっちに飛び、休まるときがないが、ヘルプ版ならそのような視線の移動はあまり大きなものではない。また、紙の場合にはすべての情報がとにかく印刷されて見えるところにあるので、ついつい全部読めという圧迫感を感じがちだが、ヘルプ版なら、本文以外のものは目に見えないので、リンクがあっても興味がなければいちいち読まない*17。また、一筆書き的な書き方をするときと比べれば、本文は短くなり、筋をたどりやすいものになるはずだ*18。梅村氏の「人間の頭のなかにある形態に近い形で文書を保持しよう」という表現には、そのような意味合いがあるのではないかと思う。
 テキストのこのような構成方法にどのような意味があるかはわからない。文章の味がなくなるだけさという批判もあるだろう。しかし、想像は現実を超えられない。さまざまな書き手によるさまざまな実例が揃わなければ、この構成方法の本当の意味はわからないだろうと思う。もちろん、いつまでたっても実例が揃わない可能性もある。だとすれば、この形式には魅力がないというだけのことだ。いずれにせよ、見極めには時間が必要である。そして、私はしばらくこの方法を試してみようと思う。
 コンピュータがらみの原稿を3回書いてきて、やっとそれらのターゲットがハイパーテキストだということがわかった。 しかし、今回はそれがわかったところで紙数が尽きた。機会があれば、また別の角度でこのテーマを取り上げてみたい。*19

*1 この本が出たあと、Netscape ver.2がリリースされ、Netscapeブラウザだけが使える拡張機能が増えている。そのなかでも、この文章の文脈で重要なのはフレーム機能だろう。これは、ウィンドウを分割して、質的に異なる情報を並置するものである。たとえば、淵上熊太郎氏の詩集「パーフェクト・パラダイス」が掲載されているページ(http://www.st.rim.or.jp/~dingo)では、ウィンドウを左右に分割し、さらに左側を上下に分割して、左上をパートを選ぶための目次、左下をパート内の目次、右全体を詩作品に割り当てている。左上で特定のパートを選ぶと左下のパート内目次の内容が変わり、パート内目次で作品タイトルを選ぶと右側の作品の内容が変わる。従来なら、ある作品が表示されているところからランダムに別の作品のページを表示したければ、一度目次に戻ってからその作品を選択して、都合二度の画面切り替えが必要なのが普通だったが、フレームを活用すれば一度の画面更新で目的の情報にたどり着ける。この機能の概略は、Netscape社のホームページ(http://home.netscape.com/assist/net_sites/frames.html)で説明されている。
*2 ローカルとリモート(ホームページとして実際に公開される領域)とで同じディレクトリ構造を保つのは、追加、修正、削除などのメンテナンスを円滑に行う上で重要な意味を持つ。両者がずれていたら、ローカルで充分にテストすることさえできなくなる。
*3 しかし、トピックウィンドウの目次で項目を選択すると、トピックウィンドウは消えてしまう。ヘルプウィンドウ上部の「トピック」と書かれたボタンをクリックすれば、また出てくるが、消えたり出したりする分、時間がかかってイライラする。また、トピックウィンドウが表示されているときには、ヘルプウィンドウをトピックウィンドウの手前に表示できず、ヘルプウィンドウを操作することができないのも、イライラする。Netscapeのフレーム*1の方が直観的である。
*4 キーワードとは、ヘルプファイルの作成者が各トピック(ページ)ごとに指定できる(指定しなくてもよい)単語で、たとえばヘルプ版Booby Trapの場合には、著作者名や作品名をキーワードとして登録している。このようにして登録されたキーワードは、トピックウィンドウのキーワードタブの下にリストアップされる。リストの上のテキストボックスに探したいキーワードの一部を入力するか、リストを直接スクロールして目的のキーワードを特定し、リスト内のキーワードをマウスでダブルクリックすると(あるいはリターンキーを押すと)、そのキーワードを登録しているトピックのリストが別のウィンドウに表示される(該当トピックが1つだけならそのトピックが直接表示される)。この新しいウィンドウでトピックを選択すると、ヘルプウィンドウに該当トピックが表示される。たとえば、キーワードタブで「清水鱗造」というキーワードを選択すると、別ウィンドウに清水氏が書いたすべての作品がリストアップされるわけである。連載記事を読むときなどに役に立つ。
*5 ところで、新バージョンでは、キーワードリストもトピックウィンドウに統合されている。トピックウィンドウは、「目次」、「キーワード」、「検索」(フルテキストサーチDLLがシステムに組み込まれている場合のみ)といったタブによって内容を切り替えられる形式になっているのである。
*6 旧バージョンでも、Booby Trapの1号から最新号までをすべて1つのファイルにまとめてしまえば、これは可能である。しかし、その場合、新しい号が出るたびにファイル全体をコンパイルし直さなければならない。新バージョンなら、1号から直前の号までのヘルプファイルには手を付けず、最新号のファイルを新しく作って、CNTファイルに変更を加えるだけでよい*7
*7 実際のヘルプ版Booby Trapでは、融通のきかないトピックウィンドウを使わなくても済むように、総目次ファイル(BT.HLP)と各号のファイル(BT01.HLP、BT02.HLP...)を作っているので、最新号が追加されたときには、総目次ファイルにも手を入れる必要がある。
*8 この機能はあまり知られていないようだが、それは普通にWindows 95をインストールしてもフルテキストサーチエンジン(FTSRCH.DLL)がインストールされないからである。この機能を使いたければ、Windows 95のセットアップCDをドライブに入れ、WIN95ディレクトリに移動した上で、ハードディスクのWIN95ディレクトリに移動した上で、MS-DOSプロンプトで

C:>extract /E D:win95_09.cab ftsrch.dll

と入力しなければならない(上記コマンド行は、ハードディスクがC、CD-ROMがDドライブと仮定している)。
*9 と言いつつ、ここで少し細かいことを書いてしまおう。「長い夢」ではルビの入ったページはなかったが、Booby Trapにはルビ付きの作品がたくさんある。Wordにはルビ機能があるのだが、ヘルプではそのようにして付けたルビは表示されない。そこで、行分け詩では文字サイズ、行高の小さい行と大きい行を互い違いにしてルビらしく見せる工夫をした。しかし、1段落分を1行分として扱う散文作品で、この方法を取ると、ルビの塊と本文の塊が分断される形になってうまくない。そこで、ルビ部分のポイントを落として全体を()で囲みルビが必要な部分の後ろに配置するという方法で妥協した*10
 もう1つは、行分け詩の長い行の処理である。Windowsヘルプは、長い行があると、基本的に右端で折り返す。しかし、行分け詩の長い行をそのまま左端から折り返したのでは、本当の行がどこまでなのかがわかりにくい。現代詩文庫などで取られているように、1字下げで折り返したいところである。これは、Wordで元ファイルを作るときに、ぶら下げインデントというものを活用すれば実現できる*11。ところが、ルビ付きの行をそのように処理すると、ルビ付き散文のときと同じような問題が出る。そこで、そのような作品では、1行が途方もなく長くならない限り、折り返しが起きないように設定した。このように設定したページでウィンドウの幅が最長の行の幅よりも短い場合には、水平スクロールバーが表示され、ページを上下だけでなく、左右にもスクロールできるようになる。
*10 これは初期の印刷されたBooby Trapでも取られていた方法である。
*11 Netscapeでは、折り返しの有無は設定できるが、1字下げの折り返しは不可能である。また、Netscapeでもルビは処理できない。ルビは、少なくとも英語などのローマ字言語にはない概念なので、アメリカの技術者にはサポートしようという頭は働かないのだろう*12。縦書きもグラフィックファイルでも使わない限り、実現できない。
*12 アメリカの技術者で思い出したが、Windowsヘルプのキーワードリストは、それぞれの言語のアルファベット順に並べられて表示される。だから、英語やフランス語なら非常にわかりやすい表示になる。しかし、日本語の単語は、文字ベースではなく、読みベースで並べなければ意味がない。記号、ローマ字、アイウエオ順のひらがな、カタカナ、JIS第1水準(おおむね音読みのアイウエオ順)、第2水準(部首の画数順)にきれいに並べられたリストに何の意味があるかは疑問である。
*13 同書12ページ。
*14 Netscapeでも、フレーム機能*1を使えば類似の効果が得られる。
*15 記号、アルファベット(AからZという順番。全角/半角を区別しない分、ただのシフトJISコード順よりもまし)、かな(50音順。ひらがなとカタカナを区別しない点が、ただのシフトJISコード順よりもまし)、第1水準の漢字(大雑把に言って、音読みの50音順)、第2水準の漢字(大雑把に言って、部首の画数順)という順番である。
*16 ただ単に文章の書き方がヘタだということかもしれないが。
*17 私の経験では、WWWの場合は、リンクをいちいち見ていたら時間がいくらあっても足りないし、イライラするので、リンクをクリックしないのが普通である。ヘルプでも、よほどのことがない限り、リンクをいちいち読むことはまずない。
*18 もちろん、本当に読みやすくなるかどうかは、文章の書き方とリンクの構成の仕方によって決まるはずだ。
*19 拙稿ではHyperCardについてはあまり取り上げてこなかったが、HyperCardは、間違いなくWindowsヘルプよりも数倍優れたシステムである。本格的なプログラミングが可能だし、そのプログラミング言語(HyperTalk)は、プログラミングの最先端のアイディアをいち早く取り入れている。 Windowsヘルプでは容易に実現できないことも、HyperCardなら実現できる。表示一つをとっても、Windowsヘルプよりはかなり凝ったものが作れる。
 しかし、私は今一つHyperCardにはなじめないでいる。1つの理由は、凝ったものが作れるから、凝ったものを作らなければならないというプレッシャーを感じてしまうことである。HyperTalkは本格的なプログラミング言語だから、自由に操るためには本格的に勉強しなければならない。Windowsヘルプは、グラフィックデータを貼り込むこともできるが、基本的にテキストを表示するためのシステムであり、テキストのことだけを考えていればよい分、私にとっては居心地がよい。もう1つの理由は、HyperCardがまさしくカードだということである。スタック(トランプの山から来た言葉で、要するにカードの集合のこと)全体でカードサイズを決めてしまったら、それを拡大/縮小することはできない。しかし、Macintoshはマルチウィンドウシステムなのだから、HyperCardのあるスタックと別のプログラムを併用するときなど、HyperCardのかちっと決まったサイズが邪魔になる場合がある。逆に、HyperCardだけをじっくり見たいときには、もっと大きくしたくなる。結局、カードサイズを決めるときには両者の間を取って、大き過ぎず小さ過ぎないサイズを選ぶことになるが、そのようなサイズはあまり使いやすいものではない。そして、Macintoshは日本語の表示に適した機械ではない。同じ17インチディスプレイをWindowsは1280×1024ドットで使うが、Macintoshは832×624で使う。Macintoshは低い解像度でかなり巧みにフォントを表示するが、それでも、この差は漢字の表示では致命的だ。

詩関連ホームページのURLリスト(Part2)


URL
内容
http://www.catnet.or.jp/srys
鈴木志郎康氏のホームページ。昨年刊行された魚眼レンズ写真集「眉宇の半球」のなかの作品と最新及び初期詩作品が含まれている。
http://www.singnet.com.sg/~kanji/
園下勘治氏のホームページ。プロフィールと詩集「最期の三輪車」の作品から構成されている。URLの末尾のsgはシンガポールを意味する。
http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/
楠かつのり氏のホームページ。詩集「ペーパービデオ・インスタレーション」のテキスト全文と同氏のプロフィール、イベント予告など。谷川俊太郎氏のコーナーもある。
http://www.st.rim.or.jp/~dingo/
淵上熊太郎氏の詩集「パーフェクト・パラダイス」が全篇掲載されている。Netscape ver.1用ページは縦書き、ver.2用ページはフレーム機能を使ってきれいにまとめてある。
http://www.asahi-net.or.jp/~fd6y-tnk/
田中庸介、高岡淳四、澤尚幸の各氏が執筆する“kisaki treckers”のホームページ。「詩人の香りのする」山登りの雑誌。同誌がすべて掲載されている。
http://www.kt.rim.or.jp/~oqx/
Cyber Poetry Magazine O2X。鈴木志郎康、中上哲夫、淵上熊太郎、宮野一世、Arthur Binardの各氏の詩が読める。インターレースGIFの縦書き表示はなかなか美しい。
http://www.bekkoame.or.jp/~s-uchi/
七月堂内山昭一氏のホームページ。七月堂出版目録、川口晴美アンソロジーなどが掲載されている。グラフィクスがふんだんに使われている。
http://www.ifnet.or.jp/~kumac/
小熊昭広氏と中村正秋氏の詩誌「回生」のホームページ。最新の「た」号が掲載されているほか、バックナンバーも準備中。
http://www.kt.rim.or.jp/~shimirin
清水鱗造氏のホームページもついに登場。昨年刊行の「毒草」全篇と92、93年の週刊読書人書評など。Booby Trap全号が掲載されているほか、ヘルプ版Booby Trapもダウンロードできる。

[ホームページ(清水)] [ホームページ(長尾)] [編集室/雑記帳]
エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
[No.20目次] [前頁(バタイユ・マテリアリスト 4)] [次頁(近況)]
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