passers by

夏際敏生



地面が空々しい 息を暗くして歩く テンからハナシにはならない (日替りでフール・ショーをやってる劇場がある (ケーキ入刀、etc.…… 鈍りがちの足を研いで とっつきの通路から トゥラバドールとして甲走って! (窓ごとに  揺れまくる視力 通りはむろんよくないが (ただもうらあらあ)ともいかないしするから 仮病死しそうなくらいの弱年にも因もう 持ち前の女らしさで湿気も呼ぼう そこでの関心は支払われる (霧吹きで概念を散布する トキワアケビ、トキワイカリソウ、トキワギョリュウ 夜のように更けていくわたしたち 電気自動車は心臓のないダミー人形 模造紙に描かれた人造湖 《演出メモ》 鞭を持った女は鞭打たず 鞭を持って立っているだけでいい 歯軋りもしないで ひっそりと人払いが行く そんなこんなで終わっていっている

Booby Trap No. 27


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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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