物色

夏際敏生



きょうマツダが死んだ もしかしたら昨日だったかもしれないが…… なにはともあれ霞町でパンを買って うつらうつら車を走らせる 片耳は切って捨てる たとえばそんな経緯で ガードレールを労えれば フィラメントも通りに置かれる なにしろ盲唖では鳴らした 口幅ったい顔をいくつも渡った 十八番は機械的キョトン 好きな色は好色、物色、警戒色、 好きな曲なら遁走曲 女たちは涼風のような裸体をもてあまさない 息だけは次々に引き取っていく それがどうあろうと人生は美しい このフレーズを教えてくれた中学教師が NHKに転身の後は消息が不明のままである 余計なお世話さま わたしたちはかつてない安全に瀕している わたしたちは祖先を省みていない ハーゲンダッツ出したりしないもの ということであとは裏面を見てください 紙幅を肥やすことにもとりたてて異議はない バカ丁寧語は電話口からオモテへ出ろ! ところで、もう片方の耳は食うんだったっけ? どの道悪はもう気取られることさえない 善のハキ溜めにカラスが茂るばかり

Booby Trap No. 24


[ホームページ(清水)] [ホームページ(長尾)] [編集室/雑記帳]
エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
[螟城圀謨冗函目次] [前頁(horseplay)] [次頁(例の黒山)]
mail: shimirin@kt.rim.or.jp error report: nyagao@longtail.co.jp