ボーッと寝ざめた
窓のすきまから
みどりのすきとおった葉っぱ
階段があるような気がする
息が葉とおなじで
ダメージではない
きのうというよりも 今までというよりも
覚えているものとおなじだ
空を意識する
はい色の
空
瓦と壁板も描く
打ち消しつづけた 写真の跡が
目の前で大きくなった 焦げる
あれはあんずだったんだろうか
空にはぼくのしたことが何ものこっていない
瓦の斜め 葉のよこ 軒先の手前 煙草を吸う内臓
応答がないので分からない
あんずは答えないので分からない
あれは全部無駄でした
途中から無意味になりました
とも言ってこない
あれはあんずではない
ぼくのしたことは無駄ではない
すべてが葉の呼吸のここから
離れると
絵のなかからひとつ抜ける
ただそれだけ
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