遺言

園下勘治



あらしの夜には耐える木も こんな真っ昼間に倒れる どこかでささえてくれる手を 信じてみようとするからだ 伝えなければならない これをあなたに伝えなければ にくもこころも炎のなかに 巨きな炎には戻れない リレーのバトンを手渡すように 木々がひかりを引き継ぐように 伝え了えたら倒れたっていい? にぎりしめていたちいさなこぶしのなかに にくの目には見えないてのひらの奥に いまも託されているもののことを

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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