炎焔

園下勘治



うすい桜いろした花びらの先端に やっと一滴が到達する こう書いて雨がふりだすんなら 海を燃やすのもわけないけど 火ということばで 燃えあがる目の奥にある森 何回だって燃える脳髄の灰 けしてほんとうに死んでしまわない 見つめると穴があくというのはほんと きみの視力がとてもいいなら 酸化していまこの紙は燃えている みんなみんなにせものの火 きみがいまマッチを擦って 火と書いたところを燃やしてください

[ホームページ(清水)] [ホームページ(長尾)] [編集室/雑記帳] [bt総目次]
エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
[No.15目次] [前頁(はい、キタダです)] [次頁(衛星)]
mail: shimirin@kt.rim.or.jp error report: nyagao@longtail.co.jp