わたし、たちとなった風、景

駿河昌樹



短い青草のうえを つめたく 風は吹くならい 膝をかかえ 時間の 幅をかかえ まなざしは まなざし自らの 奥所へ 伝承のまま 夕闇の まぢかに、遠くに 秘密の石塊は輝きでて 本は崩れて 樹の下を、どこより 無の したしい帰りどころにするまで いつから いつまでの輪廻 廻しきって 水底から ゆらゆら、記憶は上がり 映えていく 水のうえ、 水面、 白銀の、過程 闇に唇の温むなかでも、 肌に、つめたい きのうまでの、もの 終わりさえ 継続され 思い起こされ 続け なお 遡行され され、続け、 、待ち 、、、 わたし、  、、たち、 わたし、たちとなった風、景

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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