西巻慎治さんにお便りを認める、ところ

駿河昌樹



仕事を文学へしている人生に羨ましく思う 夜、ふけて、港で街は深くまで しずかな海を月あかりと引いてくる 時期(優に個人的が「時期」)に迎えて 文字の記そうはするへ黒い (記そうもしなければ、ほの赤い?) 八月鉛筆で芯からほの(ほの、ほの、)あかりして てのひらの(ああ、)初夏への高原墓地 変わる憧れへ立ち枯れている 変わらない 西洋梨でお腹は鍵屋さん、りん、りん、りん、りん、 くどいようでも、(あじけなさにくどかった)わが生 まだまだ、レジュメ欲と続いているじゃないの まだまだ、ふりかえり、まだまだ、 切れ目にない線へ探して、まだまだ、 確認を虜、自己認識とか、「わたしは」とか 食生活へかえて、ビニールから近ごろ 食べはじめ、つぎな発砲スチロール、エナメル線、 着古しが麻とか、(単なる)空気とか、 ウォークマンがソフトケースとか、わたぼこりとか 気づくでまだまだ、「わたしは」なんて連音するがで 続く食生活再検討年間、「しずかも、うるさいも、 ひかりも、闇も、試しはじめています」と 西巻慎治さんにお便りを認める、ところ

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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