《溶けていく丑》

夏際敏生



富んだ夜だったじゃない いまは東のこの白みヒッ提げて ご就床さまということ 転びのカタチは星雲にでも擬させていただき どこ吹く風に吹かれて たとえば石油に降りるのも一つ 真空の揺らぎに消えるのが二つ 立体が真っ平なので 移ろう午前は見上げて遣り過ごすのだよ 午後は午後でご愁傷さまということだ そしてもう掌は返せない 返事もいらない 和臭なども NEVER MIND いやに勢いのない破竹の先で 騙れ、けっして歌うな、と 空は節くれだつアーバニティーを体している 女の子たちも、ぺこん 獏もブリキの太鼓も、同上 ベゴニアだって

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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