清水鱗造
突き出た岩は 骨折した骨のように ぎざぎざに 雲の前景にある 日は尖る耳のあたりから 徐々に晒され やがて鉄が打ち込まれ ねばねばしたものが凍るだろう 髭の毛先の水の 結晶が ちらちらと汚れた靴に落ちるだろう