STORMY WEATHER 1990

夏際敏生



見果てようとまた夜に臨む わたしの不用意を盾に取るのはわたし 寒い昼下がりをだらだら下がって 水際へ、渋らない手を握りに行く 足が足で鈍りがちなもので 陸の魚に尾鰭をつけても足りない 音楽から委曲が消えていった 血は争えることの争えない証拠も上がった 女たちもどうして なかなかに捨てたモノでしたね あしらいばかりが照り輝く月の市街 空の青息吐息で曇る鳥声 わたしは転がったまま雨意を催している この辺で降(ふ)りたい なんとなく山肌が恋しいし どこかの窓ガラスを伝って滴るのもいい 詩の語の抜かさないですむ 順不同も氷れないまま勝手に善がれ

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エキスパンドブック版  [98/4/6 朗読会]
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