馬車



イギリスに着いて初めての朝 眠いような眠くないような頭の向こう側で ぱかぽこぱかぽこという音がした 部屋のカーテンを少しめくって通りを覗くと 自動車に混ざって馬車が歩いていた ナオキ、馬車だよ、馬が歩いているよ と叫んだが ナオキが来たときには 窓の右端から消えてしまっていた ナオキは外を覗きながら うまは? うまは? と繰り返していたが 馬車は二度と通らなかった


(C) Copyright, 1996 NAGAO, Takahiro
|ホームページ||詩|
|目次||前頁(都会)||次頁(中華街)|
PDFPDF版
PDF実物スキャンPDF