Constitution 2015年9月のために



イギリスは憲法の祖国って言われてますけど、 文章になった憲法はないんですよね。 文章になった憲法はなくても 憲法はあって立憲主義。 憲法と翻訳された英語のConstitutionには、 構造、構成、気質といった意味もあって、 言葉遊びなんか吹き飛ばす ぶっといものがあるんですよ。 日本には日本国憲法という 文章になった憲法がありますけど、 あえてそういうぶっといものを探すとすれば、 もう戦争はこりごりだ、 国のためでなく、 自分のために生きたい、 ってことじゃないでしょうか。 今の日本はあの戦争に負けた結果ですからね。 だから、 外国に行って戦争をすることなど、 決して認められない。 でも、戦争したいやつらがいるんだなあ。 彼らにもConstitutionみたいなものはあるけど、 それは「憲法」じゃなくて「國體」なんですよ。 「國體」の世界では、 天皇を中心とする同心円のなかで、 外側にいる人間が、 内側にいる人間に、 絶対服従しなければなりません。 日の丸は、彼らの世界観のシンボルなんですねえ。 彼らが女性、障害者、在日朝鮮/韓国人、 その他自分よりも「下」だと思っている相手全般に対して差別的なのも、 天皇や「上の人」に対して卑屈なのも、 みんなそのためです。 で、内側に行くために、 利用し合ったり、 蹴落とし合ったりしたりしてるんですねえ。 天皇に忠誠を誓っているように見えても、 天皇自身が同心円的世界観に背くようなことを言うと、 平気で天皇に背くのもこの手の連中の特徴です。 このスタイルで突っ走って滅んだのは、 偶然じゃないんですけどね。 「憲法」と「國體」、 どっちが勝つか、 ここは正念場でね、 負けるわけにはいかないのですよ。


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