ソスリ搾ソスソスソスソスソスソスソスソスソスソスソス句

October 06101996

 畳屋の肘が働く秋日和

                           草間時彦

が畳で爪を研ぎたがるのは納得がゆく。爪のひっかけ具合、弾力具合。お尻を引いて反り上げ、前足でバリバリ。先日、近所の畳屋さんに三匹の仔猫がいるのにはちょっと驚いた。天敵を置くようなものじゃないか。三匹は、前足を揃えリヤカーの畳の上。主人の仕事ぶりを見ていた。商売物には手を出すな、の教訓は守られているようだった。(木坂涼)


September 2091997

 母が割るかすかながらも林檎の音

                           飯田龍太

とんどの果物を、一年中店頭に見るようになったとはいえ、秋はやはり特別。梨、ぶどう、林檎。紅玉の好きな私に八百屋のおじさんは、「もう少しだね」と声をかけてくれる。秋は、地上の事々を一旦静けさへ立ち戻らすようなところがあって、この句も、割られる林檎の音、母親の存在、家の空気など、すべてが静けさに際立つ。(木坂涼)




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