ト田q句

April 2641997

 頬よせて四つ葉のクローバー多感なり

                           柴田美代子

に描いたような少女像。四つ葉のクローバーを見つけた友だちと、頬寄せ合って眺め入っている少女たち。そんな光景を、作者はほほえましく見つめている。その一方で、みずからの多感期を思い出しているのでもある。もう少し深読みしておけば、幸福の象徴とされる四つ葉を見つけたからといって、少女の未来の幸福が保証されるわけではない。当たり前の話だ。が、そのことに、言いようのない切ない感情がわいてくるのを止めることができないでいる……。(清水哲男)




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