February 0422012

 立春の駅天窓の日を降らし

                           寺島ただし

が明けてから特に大寒過ぎてから、いよいよ寒かったこの冬。一年で一番寒い時期とわかってはいるがなかなかつらい。とは言え、先日ある初句会で、年が明けると日差しがやわらかくなる気がする、と口々に。その句会は、ご近所の寺吟行句会なので定点観測、石ひとつの色にしても、日差しが確かに変わっているのが感じられる。掲出句の作者は、大きい駅の天井全体が透明なコンコースにいるのだろうか。あるいは、小さい駅の明かり取りの窓が、足元に光の四角形を作っているのに気づいて、思わず仰いだのだろうか。寒さの中、小さい窓から降る光はいち早く春になっている。「俳句歳時記 春」(2007・角川学芸出版)所載。(今井肖子)




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