g]ン江句

January 0112013

 火を焚けば太古のこころ初日待つ

                           波多江たみ江

っと昔、毎日という日々は、現在のように穏やかに流れていくものではなかった。狩猟し、あるいは逃げまどい、命のつながった時間を積み重ねて歳月となった。火を手に入れ、家族を抱え、飢えとたたかい生きていく。太古とは非情な時代である。そんな生への執念は、現在蔓延している無情感と正反対に位置するものだ。今日生きのびることが全て。あらゆる野生動物と同じように、人間も命がけで生きていた。一年が終わり、一年を始めることができる幸せを、あらためて感じる元日である。『内角の和』(2004)所収。(土肥あき子)




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