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February 2722015

 雉子飛んで火の国の空輝かす

                           松田雄姿

本は北から南へ背骨が火山で貫かれた火の国である。そして大和まほろば稲穂の国でもある。そんな農耕民族のすぐ傍らに狸や狐や鴉や雀そして雉子などが共棲していた。桃太郎さんでは無いが犬も猿もまた身近な友だった。なだらかな火山の裾野に淡々と日常の農事を営なんでいると、傍らからぱっと雉子が飛んで、見上げる空を彩った。火の国の山河が下萌えている。他に<冬木立つ己れ養ふ静けさに><蟷螂は火星の農夫かも知れぬ><蝉鳴くや大事な妻を叱りつけ>などなど。『鶴唳』(2003)所収。(藤嶋 務)




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