前の月のページ 7月1日（水）　夏痩せて豆腐一丁の美食思う 7月2日（木）　夕顔の男結の垣に咲く 7月3日（金）　俤や夢の如くに西瓜舟 7月4日（土）　河鹿鳴く夕宇治橋に水匂ふ 7月5日（日）　雨蛙めんどうくさき余生かな 7月6日（月）　梅雨明けの鶏を追ふ歩幅かな 7月7日（火）　鳶鳴きし炎天の気の一とところ 7月8日（水）　でで虫や父の記憶はみな貧し 7月9日（木）　鼻さきに藻が咲いてをり蟇 7月10日（金）　ぬけおちて涼しき一羽千羽鶴 7月11日（土）　夏痩せて身の一筋のもの痩せず 7月12日（日）　かなしみの芯とり出して浮いてこい 7月13日（月）　けふのことけふに終らぬ日傘捲く 7月14日（火）　香水や闇の試写室誰やらん 7月15日（水）　扇子低く使ひぬ夫に女秘書 7月16日（木）　祭まへバス停かげに鉋屑 7月17日（金）　蜥蜴出て遊びゐるのみ牛の視野 7月18日（土）　青森暑し昆虫展のお嬢さん 7月19日（日）　昼寝猫袋の如く落ちており 7月20日（月）　地図の上に子らと顔よせ夏休 7月21日（火）　扇風機蔵書を吹けり司書居らず 7月22日（水）　あきなひ憂し日覆は頭すれすれに 7月23日（木）　ゆく船へ蟹はかひなき手をあぐる 7月24日（金）　三日月の匂ひ胡瓜の一二寸 7月25日（土）　暗く暑く大群衆と花火待つ 7月26日（日）　無人島の天子とならば涼しかろ 7月27日（月）　向日葵や起きて妻すぐ母の声 7月28日（火）　英雄の息女の三人白夏服 7月29日（水）　薮から棒に土用鰻丼はこばれて 7月30日（木）　ラムネ抜けば志ん生の出の下座が鳴る 7月31日（金）　ががんぼを厨に残しフランスへ この月のすべての句 次の月のページ 『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます。