前の月のページ 11月1日（日）　武蔵野は十一月の欅かな 11月2日（月）　夜寒さの買物に行く近所かな 11月3日（火）　父母の天長節の明治節 11月4日（水）　薮蔭や蔦もからまぬ唐辛子 11月5日（木）　団栗の己が落葉に埋れけり 11月6日（金）　ゐなくなるぞゐなくなるぞと残る虫 11月7日（土）　あるほどの菊抛げ入れよ棺の中 11月8日（日）　立冬の女生きいき両手に荷 11月9日（月）　淋しさにまた銅鑼打つや鹿火屋守 11月10日（火）　秋冷のまなじりにあるみだれ髪 11月11日（水）　六面の銀屏に灯のもみ合へり 11月12日（木）　これよりは菊の酒また菊枕 11月13日（金）　酒断って知る桎梏のごとき夜長 11月14日（土）　朝餉なる小蕪がにほふやや寒く 11月15日（日）　ふと咲けば山茶花の散りはじめかな 11月16日（月）　昼めしの精進揚や冬隣 11月17日（火）　とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな 11月18日（水）　夕紅葉なにも雑へずかく窮る 11月19日（木）　足袋つぐやノラともならず教師妻 11月20日（金）　着ぶくれし子に発掘のもの並ぶ 11月21日（土）　帰り花鶴折るうちに折り殺す 11月22日（日）　くもり来て二の酉の夜のあたゝかに 11月23日（月）　余日なき十一月の予定表 11月24日（火）　あやとりのエッフェル塔も冬に入る 11月25日（水）　手袋を脱いで握りし別れかな 11月26日（木）　焼跡を一番電車通りそむ 11月27日（金）　月夜しぐれ銀婚の銀降るように 11月28日（土）　梅漬の種が真赤ぞ甲斐の冬 11月29日（日）　冬星照らすレグホンの胸嫁寝しや 11月30日（月）　死にたれば人来て大根煮きはじむ この月のすべての句 次の月のページ 『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます。