伝えたいこと



またやっちまった、 と思ったときには、 すでに遅く、 身体は言うことをきかない。 きっと、 まわりにいる人たちは、 思いがけぬ災難に、 右往左往していることだろう。 申し訳ないことだ。 こうならないために、 工夫をしなかったわけではなく、 磨いてきたその工夫に、 溺れたわけでもないはずだが、 いつでもそれは、 予想外のところから、 やってくるので、 避けられない。 だから、本当にごめんなさい。 でも、 ぼくは字を知っているから、 そのときも、 ぼくのなかには、 ぼくが残っている、 ということを、 こうして、 字で伝えることができる。 安心した?


(C) Copyright, 2003 NAGAO, Takahiro
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