(帯文)



 先ずは、インターネットの一点にこの詩集を見つけた。ディスプレイの画面上で読むのがもどかしく、プリントして、手製の詩集にして読んだ。日頃は見えない隣人の姿を見ることが出来て、嬉しかった。
 この詩集を、作者は「観光旅行」と題しているが、それは自己、家族、国家、歴史などの様々な意識が交錯して、比喩表現を抜けたダイレクトな言葉で、感じやすいひとりの男の姿を、軽く、そして深く、語り出している。これは、インターネットという情報の網目を踏まえた表現の言葉の結晶といえよう。

鈴木志郎康


(C) Copyright, 1996 NAGAO, Takahiro
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