紅茶



ホテルの朝食で紅茶を飲んだ ボーイ氏がティーポットをテーブルに置いた途端 紅茶の香りがぱーっと広がった さすがに本場は違うわいと感心した 毎朝毎朝感心しながらうまいうまいといって飲んだ 数日後、下山君に教わったスーパーマーケットに行った 紅茶は有名店で買うよりもその方がおいしいのだという いつもより日本人比率の低い店内をうろうろ歩きまわり やっと見つけた紅茶売場には、ティーバッグしかなかった 隣のコーヒー売り場には何種類も豆が置いてあるのに その翌朝、朝食のティーポットのふたを開けてみた 予想通り 下山君にその話をしたら 香りの違いはティーバッグかどうかではなく 水で決まるという カルシウムの多い硬水が紅茶には合うのだそうな 日本に帰ってから早速そういう水を買って試してみた   おいしい ような気がする


(C) Copyright, 1996 NAGAO, Takahiro
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