布団のなかに入れば、 身体の底から、 噴き出すような 突き上げてくるようなものが、 喉を満たして、 いつまでも眠れないことが、 わかっているので、 寝室に向かう前に、 医者に頼み込んで、 分けてもらったクスリを、 ごくりとのみこみ、 そのくせ、 よせばいいのに、 寝室の手前で、 ふらっと横に曲がって、 本を手に取っている。 クスリをのんだからといって、 すぐに眠くなるものではなく、 本だって、 何ページも読めるのだが、 そのうちに、 さすがに意識が混濁していることに、 ふと気付く。 こいつの度合いが激しくなると、 起きられなくなるのか、 などと思いながら、 布団にもぐりこむが、 やはり、 そのときはなかなか来ない。