夢
夢は天使が守る私のベッドの上に
本当に影を織りなしたことがあった。
蟻が迷子になっていた。
そこはたぶん私が横になっていた野原だ。
何かの間違いで迷って一人
真っ暗な闇のなかに歩き疲れた姿。
幾重にももつれあった茎のうえで
悲嘆にくれる彼女の声が聞こえた。
おお、私の子どもたちよ! 泣いているのだろうか
父親のため息を聞いているのだろうか
私がいないかとおもてに出て
見つからずに戻って涙を流しているのだろうか
かわいそうになって私の目からも涙が落ちた。
しかし私は、近くに土蛍がきて
応えるのを見た。泣き叫んで
夜の番人を呼び出したのは誰かな。
黄金虫が巡回するとき
私は地面を照らすことになっている。
黄金虫の羽音についておいで。
小さな放浪者よ、家路を急ぎなさい
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