ロンドン



特権を与えられたテームズのほとり、
特権を与えられた通りを一つ一つ歩いた。
すれ違う顔、顔、顔には弱さの印
歎きの印がはっきり刻印されていた。

あらゆる大人のあらゆる叫びに、
恐怖におののくあらゆる子どもの泣き声に、
あらゆる声にあらゆる布告に、
心が作り出した束縛が聞こえた。

煙突掃除の子どもたちは
黒光りする教会にぞっとして泣いていた。
運のない兵士たちのため息は
血まみれになって宮殿の壁を転げ落ちた。

しかし真夜中の通りで一番多かったものは
生まれたばかりの赤ん坊を泣かせ
疫病で結婚の棺を引き裂く
若い売春婦たちの呪い





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