幼い歎き
お袋がうなり、親父が泣いた。
無力な裸で大声あげて、
とんだ危ないところに飛び出してきたもんだ。
雲に隠れた鬼っ子のように。
親父の腕のなかでもがき、
襁褓のひもにまたもがき、
縛られ抑えられて疲れちまった。
お袋の胸のなかですねてやるのがいちばんだ。
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