園下勘治
ひとの世のあやまちはひととひととをつなぐ 霧の中のゴムボール投げのように 互いに煩悩を返礼する 愛が手段の性と愛が目的の性 まちがえば理解しあえる 遺伝子のひとり芝居 魂の乗り物をみがけと誰に言われた 現場を知らないシンカーのように うそつきは決して汚れない ひとはひとの中にしか罪が見えない 座席のない乗り物をみがいている だから魂の在りかが見えない 乗り物は行き先も告げずに出発する 憎しみも悲しみも置き去りにして (連作・死のレッスン8)Booby Trap No. 17
(連作・死のレッスン8)
Booby Trap No. 17