私の壁は鉛筆書きである
しかし壁などというものは
少し抽象化すれば
わざわざ書くまでもないものではなかろうか?
といって何も書かれていなければ
それをわざわざ壁と呼ぶ必要もない
それに実際に書かれているのは
壁のしみ、ひび、汚れで
壁自体は書かれていないのだ
なのにそれは私の壁になっている
おまけに鉛筆書きだ
たったそれだけのことで
私の自由は制限されている
壁の向こうには行けないし
壁の向こうは見えない
迷惑な話だ
しかしいったいどうして
その壁は私の壁なのだろうか?
私はそんなものを望んだ覚えはない
望まないものを抱え込んでいる必要はないではないか
そこで私は私の壁を共有に付することにした
これで壁はみんなのものだ
みんなの壁は鉛筆書きである
Booby Trap No. 18
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