私が地獄で聞いてきたところによれば、六千年ののちに世界が焼き尽くされるという古くからの聖伝は真実である。
 そのときが来たら、炎の剣を持つ智天使は、生命の樹の守りから離れるように命ぜられており、彼が樹から離れると、あらゆる被造物は焼き尽くされ、今のように有限で堕落した姿ではなく、無限で聖なる姿を取るようになる。
 これは、肉体の歓びの開発によって成就される。
 しかし、何よりもまず、人間が精神とは別個の肉体を持っているという考え方が払拭されなければならない。私は、腐食を使った地獄の方法で印刷することによって、この仕事を成し遂げるつもりだ。目に見える表面を溶かし去り、隠されていた無限を顕わにする腐食は、地獄では健康的で身体を癒す力を持つ。
 知覚の扉が取り払われたら、何もかもがありのままの無限の姿で人間の前に顕れるだろう。
 人間は自らを閉ざしてきた。今や、人間は、洞穴の狭い隙間からものを見ているに過ぎないのだ。





|ホームページ||詩|
|前頁(記憶に残る幻想)||次頁(記憶に残る幻想)|
PDFPDF版