こわれたアンテナに
いろんなものが引っ掛かる
またこわれてしまったよ
Mが世界の司令塔になってぼくを追いつめ
最後は世にも恐ろしい死に方をするという考え
また
世界にすべてを告白しようとする行為と
世界からすべてを隠そうとする行為を
くりかえすことになる
でもぼくは今日
立川のトポスまで一直線に秋の一番気分のいい服を
買うために
歩いている
* *
公園って面白い所。
ジョギングをするおじさんと
小さな女の子と
ボールを追いかける犬。
父親がいる
青い空よりも
今はこの人たちがぼくを癒している
この人たちの「関係」が見えだしたときぼくは混乱する
* *
三好さんからの手紙で回復する
画面には絵が
まわりには人が
「御自由にお持ち帰りください」
「2F レンタル フロア」
「冷たいビール おいてます」
「¥3880」
美女が一人
コップに水を汲んできて少し回復する
「リッチ」
「ラリー」
* *
自転車を使う
交番と
交差点をクリアして
「ビデオのお店」にやってきた
人は9人
煙草を吸う人間は
3人
ぼくはノートと手紙と便箋を持っている
* *
3マイナス1=2の引き算にぼくはやられた
武器は「イルカ」と「眠る部屋」とシーサーと
雨の棒
武器は…
* *
89年12月
それからぼくは
回復をつくろうとしてきた
回復以外つくろうとしてこなかった
それからのことは分からなかった
今詩人にも会社人間にもなれないで
そのすきまに落ちて 通勤路の謎とたたかっている
* *
「今もっている手持ちのカードのなかで最大のものを使うこと」
ときみは言った
いまそのコトバを
「喫茶シャンブレット」に書きこむんだ
「喫茶シャンブレット」に書き込むため
富士見通りに向かって
部屋を出る
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