縦横に管が巡る
地面に建物に
建物の影に
その管は生体としての街路を生き延びさせるための
生理的な管であり
月や陽
天体と共鳴してどくどくと脈打つ
放り投げられた体は
街の壁の罅に
一挙に吸い取られ
裸のまま加速度を付けて
やがて管の中を疾走するものになり
電子雲のようにそこいらじゅうを経巡る
体が尽きることはけしてない
なぜならそれは円環を描き
白から濁りに
濁りからまた純白に動く波動運動だから
強い力がコンクリートの高速道の橋脚にかかる
それは眼球から圧力となって
のたうち回る線形の有機体の過剰な光ともいえる
光はぐちゃぐちゃな波形を描き
高速道を螺旋を描いてぐるぐる巻きにする
何万もの飛び魚はテレビ塔の隙間を通過し
泥のような汁や透明なマント
また血や粘液を霧にして飛ばしながら
街を耳の穴の開口部のようにしてちぢに飛び散る
翅の着いた魚たち
|