アクシデント



いつもの帰り道を いつものように歩いていた、 ただそれだけだったんだけど、 いつもと違って何やら足がもつれたんだ。 転ばないで何とかなると思っていたし、 今までだったら何とかなっていたはずだけど、 気がついたら肩から落ちていたのさ。 何たる不覚。 何たるへま。 そして今までにない痛み。 痛いのは肩なんだけど、 立ち上がれなくてさ。 歩道に座り込んじゃったよ。 こりゃだめだと思って、 奥さんに電話して、 車で迎えに来てもらった。 それから病院。 とっくに夜だったから、 救急しか開いていない。 おまけに何やら食中毒かなんか あったらしくて、 やたらと繁盛してる。 おまわりさんまでいてさ。 転んで肩が痛いなんて間抜けなやつ、 なんでうちに来ちゃったんだって感じ。 普通なら レントゲンはすぐにお声がかかるはずなんだけど、 そのレントゲンがめちゃくちゃ混んでて、 病院行ってから三時間待ち。 肩の人はゆっくり待たせていいよと、 若いお医者さんに言われちゃったよ。 でやっと撮ってもらったら、 鎖骨が見事にぽっきんこ。 肋骨も一本逝っていた。 ああ、病院に行っても、 文句のない状態だったんだなと、 ちょっとほっとしたよ。 でも、鎖骨が折れたくらいじゃ 入院しないらしいよ。 何やら鎖骨のところをとめる バンドみたいなのをしてもらって (買ったんですよ、もちろん)、 明日整形外科に改めて来てねと言われて、 今帰ってきたとこ。 参ったな。


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