黄昏



ここまで来たときには、 黄昏てきていた、 というよりも、 黄昏てきたときに、 やっと着いたところが、 ここだった、 というべきか。 行かなければならないところが、 どこなのかはわからないが、 まだずっと先にあることは、 間違いない。 もし明日がないとすれば、 暗くなっても、 先を急ぐべきか、 ここまで来たことに、 満足すべきか、 それとも明日がくることを、 信ずるべきか。 もし明日があるとすれば、 明日も同じことで、 悩まなければならないのだ。


(C) Copyright, 2003 NAGAO, Takahiro
|ホームページ||詩|
|目次||前頁(石文字)||次頁(境)|
PDFPDF版 PDFPDF用紙節約版