このフロントエンドからは、edエディタコマンドをバッチ実行できるgnuのsedプログラムを実行できます。このフロントエンドの「実行」ボタンは、入力とスクリプトの両方が指定されたときに有効になります。
通常のウィンドウ
管のメインダイアログから起動したときのウィンドウ
このGUIフロントエンドを使うためには、sedコマンド行ツールを入手する必要があります。cygwinツール(http://sources.redhat.com/cygwin/)にはgnuオリジナルのgrep.exe
含まれていますが、http://www.vector.co.jp/soft/dl/dos/util/s0000880.htmlには田中良知氏がマルチバイト対応にしたMS-DOS版、http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se015016.htmlにはgnu sed 1.18に対して谷本孝浩氏がマルチバイト対応にして吉澤康介氏がMS-DOSからWin32に移植したバージョンがあります。
sedはスクリプトによって複雑な記述をすることができますが、ここでは、その詳細については触れません。また、次の参考書には詳しい使い方が書かれていますので参考にしてください。
Dougherty and Robbins, “sed & awk Second Edition,” O’Reilly and Associates, 1997: 福崎俊博訳『sed&awkプログラミング』1997年オライリー・ジャパン
マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。
クリップボード このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。
ファイル このボタンをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスが表示されます。ファイルの順番を指定したいときや、ワイルドカードを使って複数のファイルをまとめて指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。
入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。
sedプログラムにとって何よりも重要なのは、スクリプトです。スクリプトは、コマンド行で直接指定することもできますし、スクリプトが格納されたファイルを指定することもできます。そして、両方を複数組み合わせて使うことができます。
-e このオプションは、コマンド行でスクリプトの1行を直接指定します。フロントエンドは、「追加」、「編集」、「除去」ボタンを使って複数のスクリプトを指定できるように作られています。「-e: コマンド」が選択されている状態で「追加」を押すと、次のようなダイアログボックスが表示されます。
■■スクリプトを入力して「OK」ボタンを押すと、そのパターンがリストコントロール内に表示されます。
■■リストコントロール内のスクリプトを選択して「編集」ボタンを押すか、スクリプトをダブルクリックすると、先ほどと同じダイアログボックスが表示され、内容を編集できます。
■■リストコントロール内のスクリプトを選択して「除去」ボタンか[Delete]キーを押すと、リストコントロールからそのスクリプトを取り除くことができます。
-f 「-f: ファイル」が選択されている状態で「追加」を押すと、標準の「ファイルを開く」ダイアログボックスがオープンされます。何らかのファイルを選択して「OK」ボタンを押すと、そのファイルの名前がリストコントロールに表示され、ファイルの各行がスクリプトとして扱われるようになります。
■■リストコントロール内のファイル名を選択して「編集」ボタンを押すか、ファイル名をダブルクリックすると、「設定」ダイアログボックスの「検索パターン編集用エディタ」で指定されたテキストエディタを起動し、ファイルをオープンします。編集結果を保存すると、ファイルの新しい内容がスクリプトとして使われます。
■■リストコントロール内のファイル名を選択して「除去」ボタンか[Delete]キーを押すと、リストコントロールからそのファイルを取り除くことができます(ファイル自体を削除するわけではありません)。
スクリプトリスト内のアイテムは、マウスでドラッグして順番を変えることができます。
-n 通常、スクリプトによって処理された入力ファイルの各行は、標準出力に書き出されますが、このオプションを指定すると、pコマンドで出力を指示した部分以外、出力されなくなります。
この部分では、谷本孝浩氏による移植版のためのマルチバイトオプションを指定します。他のバージョンを使うときには、「指定しない」を選択してください。
--help sed.exeのヘルプメッセージが表示されます。
--version sed.exeのバージョン番号が表示されます。
これらのオプションを指定すると、オプショングループボックス内のほかのオプションは指定できなくなります。
通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください。
出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。管(pipeline)の「編集」ボタンで起動したときを除き、コマンド行の左側の四角形をマウスでクリックしてドラッグしていくと、他の瀬、管、行(cmdline)にドロップできます。また、「コピー」ボタンを押すと、コマンド行情報がクリップボードにセットされます。クリップボードにコマンド行情報がセットされているときに、マウスの右ボタンをクリックし、コンテキストメニューから「貼り付け」を選択すると、クリップボードのコマンド行情報が反映されます。ドラッグアンドドロップとコピーアンドペーストの詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。エキスポート、インポートされるときのコマンド行情報の形式については、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。さらに、ダイアログボックス上でマウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューの「.batロード」、「.bat保存」コマンドを使えば、同じ形式のコマンド行情報を.batファイルとして保存し、あとでロードすることができます。このロード、保存機能の詳細は、「.batファイルのロードと保存」を参照してください。
作業ディレクトリを表示しているエディットボックスを直接編集したり、マイコンピュータ、エクスプローラなどからフォルダを1つだけドロップしたりすると、作業ディレクトリを変更できます。「ChDir」ボタンでも、作業ディレクトリを設定できます。作業ディレクトリの設定が必要になるのは、入力ダイアログボックスの「直接指定する」を使うときです。詳しくは、「作業ディレクトリ」を参照してください。
「設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、
出力の表示に使うテキストエディタ
スクリプトの編集に使うテキストエディタ
エクスプローラなどからファイルやフォルダをドロップしたときの確認メッセージの有無
出力の末尾に実行したコマンド行、実行時間などを付加するかどうか
コマンド行プログラムに渡すファイル名のディレクトリ区切り子を\ではなく/にするかどうか
コマンド行プログラムに渡すファイル名を8.3形式にするかどうか
コマンド行プログラムとしてどれを使うか
を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。MS-DOS用のsedを使う場合には、ファイル名を8.3形式にすることが必須となります。
「opt保存」ボタンを押すと、「オプション」グループボックス内の設定が保存されます。詳しくは「オプション保存」を参照してください。