このフロントエンドからは、Windowsのsortコマンドを実行できます。このフロントエンドの「実行」ボタンは、何らかの入力が指定されたときに有効になります。Windows NT/2000のsortには、Windows 9x/Meのsortにはないオプションがいくつか含まれていますが、Windows 2000でそれらを試したところ、あまり意味があるようには思えなかったので、フロントエンドはWindows 9x/Meのsortに合わせて作られています。PCKには、gnu sort用のフロントエンド(並)もあります。ただし、Windowsのsortは、全角と半角の違いやひらがなとカタカナの違いがあっても、同じ文字は同じ文字だということを判断できます。ですから、
うそ
ウソ
ウソ
あんぱん
アンパン
アンパン
1
1
2
2
というような入力ファイルがあったとき、Windows sortは次のように並べ替えるのに対し、
1
1
2
2
アンパン
アンパン
あんぱん
ウソ
ウソ
うそ
gnu sortは次のように並べ替えます。
1
2
1
2
あんぱん
うそ
アンパン
ウソ
アンパン
ウソ
gnu sortが文字コードの大小のみで並べ替えているのに対し、Windows sortは個々の文字に特別なソートウェイトを与えて並べ替えをします。これは、アクセント付きの文字がzの後ろに配置されるようなことを防ぎ、辞書順のソートを実現するために考えられた方法です。しかし、日本語の場合は、同じ文字でも、読み方によって辞書のなかでの並びは変わってしまいます。たとえば、「日」という字なら、「にち」と読む使い方なら辞書の「な」行のページのどこかに配置されますが、「ひ」と読む使い方なら「は」行のページに配置されます。しかし、Windowsは文字以外の手段による並べ替え方法を想定していませんので、Windows sortを使っても、日本語が辞書順に並ぶということはありません(ちなみに、Windowsヘルプの検索機能が微妙に使いにくい理由の1つは、開発者の側では辞書順に並べているつもりでありながら、実際にはそうなっていないことにあるのではないかと思われます)。
通常のウィンドウ
管のメインダイアログから起動したときのウィンドウ
マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。
クリップボード このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。
参照 このボタンをクリックすると、「ファイルを開く」ダイアログボックスが表示されます。入力ファイルを明示的に指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。
入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。
/R このオプションを指定すると、通常とは逆の順番で並べ替えられるようになります。
/+ 「並べ替えの位置」に0以外の数値を入力すると、このオプションがセットされます。指定された数値の桁以降で比較を行います。指定された桁数に満たない行は、桁数の多少のみを比較するように見えます(Windows 2000のドキュメントには、「桁数が n 桁より少ない行は、すでに比較済みの他の行と照合されます。」と書かれていますが、何を意味しているのか私には理解できませんでした).。次の入力に対し、
bbcdefghi
bbcdefhhh
bbc
cba
abc
abcdefghh
abcdefgii
ab
a
sort /+4を実行したところ、次のような結果が得られました。
a
ab
abc
cba
bbc
abcdefghh
bbcdefghi
abcdefgii
bbcdefhhh
/? sort.exeのヘルプメッセージが表示されます。
通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください。
出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。管(pipeline)の「編集」ボタンで起動したときを除き、コマンド行の左側の四角形をマウスでクリックしてドラッグしていくと、他の並、管、行(cmdline)にドロップできます。また、「コピー」ボタンを押すと、コマンド行情報がクリップボードにセットされます。クリップボードにコマンド行情報がセットされているときに、マウスの右ボタンをクリックし、コンテキストメニューから「貼り付け」を選択すると、クリップボードのコマンド行情報が反映されます。ドラッグアンドドロップとコピーアンドペーストの詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。エキスポート、インポートされるときのコマンド行情報の形式については、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。さらに、ダイアログボックス上でマウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューの「.batロード」、「.bat保存」コマンドを使えば、同じ形式のコマンド行情報を.batファイルとして保存し、あとでロードすることができます。このロード、保存機能の詳細は、「.batファイルのロードと保存」を参照してください。
「設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、
出力の表示に使うテキストエディタ
エクスプローラなどからファイルやフォルダをドロップしたときの確認メッセージの有無
出力の末尾に実行したコマンド行、実行時間などを付加するかどうか
コマンド行プログラムとしてどれを使うか
を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。
「opt保存」ボタンを押すと、「オプション」グループボックス内の設定が保存されます。詳しくは「オプション保存」を参照してください。